手抜きに対する判定基準について 2004.1.1
2004.7.9変更
1.概要
従来の判定基準では手抜きが許されるのは原則以下の場合で連続手抜きは禁止としていました。
(1)コウを取り返したいがコウ不利なので取り返しができない
(2)活きようとする側が完全な閉領域を構成しておりセキ活きが期待できる
新基準では閉領域が存在する場合またはコウが存在する場合は双方手抜き可能としました。
ただし双方が連続して手抜きした場合は終局条件での判定となります。
終局条件とは外部には双方にとってコウ材は存在しないという環境を想定したもので、コウ有利不利条件は無視され同型反復は禁止されます。
2.判定基準変更に伴う判定結果の相違例
(1)万年コウ
●○○○●○┬
├●┼┼●○┼
●●●●●○┼
○○○○○○┼
├┼┼┼┼┼┼
従来基準では白先で黒の一手ヨセコウ。新基準では白先で白の一手ヨセコウ。
従来基準では白に先に手抜きされると黒は手抜きできないという不合理性によるものです。
(4)両コウゼキ内の隅の曲がり四目
●●●┬○○●┬●○●┬
├○○○○○●●○○●┼
○○●●●●●●○●●┼
○●●●┼●○●○●┼┼
●○○●●○┼○○●┼┼
●○┼○○○○○●●┼┼
●○○○●●●●●┼┼┼
●●●●●┼┼┼┼┼┼┼
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従来基準ではコウ。新基準では白死。
従来基準では攻撃側に取り掛けにいく責任があるためコウと判定することになります。
新基準では黒は手抜きできるので白も手抜きせざるを得ないため終局条件での判定になり黒が勝ちます。
3.終局条件判定でのコウ材の扱いについて
終局条件では外部にコウ材はないとして判定するが、内部のコウ材の扱いをどうするかが問題になります。
下図は黒番の場合手抜きしても白はコウを解消できないので一手ヨセコウと判定すべきと考えられるが
通常ルールでは黒手抜き、白2子取り、黒コウ取り(図B)後△▲交換し白はコウを取り返すことができ
白勝ちとなりヨセコウと判定することができなくなります。
このような問題を解決するため
「終局条件では相手が手抜き後に取ったコウを取り返すためには手抜きしなければならない」
という基準を設定します。つまり図Bの△▲交換しても白はコウを取ることができないため手抜き、黒コウ接ぎで
黒活きとなり一手ヨセコウであることが確認できます。
図A
●┬●●○┬○●┬┬┬
├●●┼●○○●○○┼
├○○●●┼●○○┼┼
├○○○●●●○┼┼┼
├┼┼○○○○○┼┼┼
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
図B
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▲●●┼●○○┼○○┼
△○○●●┼●○○┼┼
├○○○●●●○┼┼┼
├┼┼○○○○○┼┼┼
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