日本棋院囲碁規約との関係

日本棋院囲碁規約による死活判定は終局時(双方パスによる対局の停止後)に行い
「対局の停止後はコウの取り返しはそれぞれのコウに対して手抜き後でなければ取り返せない」
という規準で判定することになっているようです。
したがって対局中と対局の停止後の死活判断はルールを変えて判定する必要がでてきます。
現在この論理は導入していませんので非常に特異なケースですが以下のように判定が異なる場合があります。

(1)日本囲碁規約逐条解説(死活例8 眼あり眼なし三劫)

死活例8

規約の解説によると 黒九子は「死に石」で白十子は「活き石」。

「詰碁研究」は以下のように黒九子は取れないと判定します。

<判定対象 15の四 白先[全点] 着手領域 32/62(3)
無条件勝ちはない ptnno=13(0s)
手がありません ptnno=13(0s) 2001/9/27 13:24>

[解説]

「詰碁研究」は同型反復を回避する責任は攻め側にあるとして判定します。

従って黒九子は取れない(判定対象を打ち上げることができないので活き)と判定します。

黒が譲らず打ち続ければ無勝負にせざるを得ないと思ったからですが、

他に打つ着点がなくなった後、黒13の一コウ取り、白14の三コウ取りの後パスせざるを得ない

ので続いて白がパスすれば対局停止になります。この状態で日本棋院囲碁規約に従えば

黒は取られます。対策について検討中です。

 

(2)日本囲碁規約逐条解説(死活例18)

死活例18

規約の解説によると 隅の黒七子は「死に石」、白二子は「活き石」。中の黒十三子も「セキ崩れ」で、「死に石」。

「詰碁研究」は以下のようにコウと判定します。

<判定対象 7の七 白先[全点] 着手領域 49/62(3)
無条件勝ちはない ptnno=2540(3s)
勝点(コウ) [6の六] ptnno=2793(3s)
勝点(コウ) [1の一] ptnno=2793(3s)
勝点(コウ) [3の一] ptnno=2818(4s)
勝点(コウ) [1の三] ptnno=2827(4s)
コウ死 ptnno=2827(4s) 2001/9/27 14:20>

[解説]

このケースは白が仕掛けるとコウになるが、黒からは手を出せない場合です。

一方的に白有利なコウなので規約の解説通り、隅の黒七子は死に石、両コウセキの形の中の黒十三子も

セキ崩れで死と判定するのが正しいと思います。対策について検討中です。

 

(3)日本囲碁規約逐条解説(死活例20)

死活例20

規約の解説によると 黒白ともに「活き石」で、第八条により「セキ石」。

「詰碁研究」は以下のようにコウと判定します。

<判定対象 7の五 白先[全点] 着手領域 33/62(3)
無条件勝ちはない ptnno=923(1s)
勝点(コウ) [4の一] ptnno=1028(1s)
コウ死 ptnno=2013(3s) 2001/9/27 13:22>

[解説]

このケースは仕掛けたほうが不利なコウになるので双方手をつけず終局になった場合です。

不利を承知の上で仕掛ければコウになるのでこの判定でよいと思います(どちらも正しい)。